寿司図鑑 326貫目
寿司図鑑1~856貫目は旧コンテンツからの移行データの為、小さい写真の記事が多くあります。

夜泣き貝ゆで/ナガニシ

よなきがいゆで / ナガニシ
夜泣き貝ゆで/ナガニシ
握り

広島で「夜泣き貝」と呼ばれ珍重されているのがナガニシである。
浅い砂泥地に棲息し、刺し網などでとれる。
これが相模湾では食べる風習がなく見向きもされない。神奈川県佐島の漁師さんがとってきたのを、いただけませんか?
お願いすると、「いいよ」と投げてくれる。

ありがたくいただいてきて握り用に仕込む。
ナガニシのワタは酸味があって渋く、貝殻のままゆでると身にまでワタの渋みが回ってしまう。
それでトンカチで身を取りだしてワタをきれいに洗い流してゆでる。
ゆでる時間は最小限、十数秒でいい。
これを持ち込んがら、たかさん腕組みしてうなる。
切り付けて、どうにも形が出来上がらないのだ。
それをやっとなんとかネタに巻き付けて出来上がり。

今回はちょうど店に来ていた神奈川県津久井町の料理屋『浜長』さんにも試食をお願いする。
「うん、味は貝の味、普通だね」と一言。
確かに甘味があるものの握りのネタとしては個性に欠ける。
ただ身が柔らかいので、すし飯との馴染みはいい。
「夜泣きというより、寿司屋泣かせの貝だね」とは、たかさん。
今度は生で持ってくるのだからもっと形のいいものにしておくれ。

寿司ネタ(made of)

ナガニシ
Spindle snail

ナガニシ
日本各地の浅い海域にいる。
本種を三浦半島で見つけて初めて食べたときに、あまりの苦さに驚いた。これは煮て食べたので、えぐみのある内蔵も食べてしまったためだ。貝殻のまま煮る、焼くのは不可だと思う。熱を通すには剥いて身(足)だけにしてから熱を通・・・・
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