寿司図鑑 503貫目
寿司図鑑1~856貫目は旧コンテンツからの移行データの為、小さい写真の記事が多くあります。

紅手繰り/ベニテグリ

べにてぐり / ベニテグリ
紅手繰り/ベニテグリ
握り

ベニテグリとは不思議な名なのだが、深い海の底にいるためにその昔は食用とされることは希だったのだろう。それが手繰り、すなわち底引き漁が盛んになって初にお目見えした。それで「紅色の手繰り網でとれる魚」という説明的な和名になったのではないか? でもこの標準和名は音がいい。沼津魚市場では毎日のように底引き網であがるもの。そして知る人ぞ知るうまい魚なのだ。何と言っても天ぷらにして皮目が香ばしく、そして上品な白身でうまいのである。また皮をつけたまま軽く湯引きして刺身として食べるのも絶品。それで『市場寿司 たか』に持ち込んだら職人のたかさん、いきなり皮を引いてしまう。「これは上品すぎるね。味がない? ……かな? ……と思ったけど。あるね。でももの足りないかな。すし飯にも負けているね」。「皮を引いたせいだよ」と、こちらも立て続けに口に放り込む。確かにややもの足りない。でも「充分うまいじゃないか」。次回は皮つきでやりましょ! これが寿司図鑑、モチベーションですから。

寿司ネタ(made of)

ベニテグリ
英名/Red dragonet

ベニテグリ
兵庫県、相模湾以南に生息している。同じネズッポ科の魚が浅場にいるのに対して、本種は深海魚である。深場の底曳き網で揚がる魚なので本州、駿河湾以南の太平洋側が産地で、水揚げ港は限られている。
珍しくはない程度に流通しており、特殊な商材ではあるが・・・・
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