寿司図鑑 591貫目
寿司図鑑1~856貫目は旧コンテンツからの移行データの為、小さい写真の記事が多くあります。

赤姫魚/アカヒメジ

あかひめじ / アカヒメジ
赤姫魚/アカヒメジ
握り

和歌山県串本というところは魚貝類が多彩である。
 例えば入相の荷なんかがくると、まさに海の宝石箱のよう。
 色も形も多種多様ななかに、これまた食べても最上級のものがある。
 その代表的なものがヒメジ類だ。
 大型のウミヒゴイ属、中型のアカヒメジ、小型のヒメジなどがくるのだけど、それぞれみな味わいに個性を持ち、フレンチにも和食にも多様に利用できる。

 さて、今回の主役はアカヒメジ。
 さわった感じから明らかに脂がのっている。
 これを三枚に卸して、血合い骨を取り去り、皮霜造りにする。
 ここまではボクの仕事。
 ネタの切り付けをして、握るのが、たかさん。

「ヒメジなんだからうまいに決まってるだろ」
 こんなことがわかるようになったとは、たかさんも成長したものだ。
 普通、ヒメジ類なんか寿司職人は見向きもしないだろう。
 それを無理矢理、握らせている内にヒメジの真価に気がついてくれたようだ。

 なんといっても握りとしてきれいだ。
 皮、皮下に脂がある。そのせいで甘い。
 そして身に旨味があって、ネタとしての存在感が大きいのだ。
 今回入荷のアカヒメジは競争が激しくたった三本しか手に入れられなかった。
「もっと入荷が多いとうれしいね」
「そうだね。今回のは入相(いろんな魚が入っている荷)に10本くらい入っていただけだからね」

 いまのところあまり人にうまい魚であることを知られていない。
 そのため、値段が安いというのも魅力のひとつだ。
 フランスでは「ルジェー」、すなわち「赤い魚」として魚ではもっとも高い部類に入る。
 ヒメジの味の良さに気づくフランス人の舌は確かだ。
 その点ではこの国の寿司職人だって、フランス人に負けているわけがない。
 きっとヒメジ類は高くなるに違いない。

寿司ネタ(made of)

アカヒメジ
Yellowfin goatfish

アカヒメジ
定置網などでとれるもので、まとまってとれないので商品価値は低い。
味のいい魚なので、とれたなら流通にのせていただきたいと思う。・・・・
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