寿司図鑑 605貫目
寿司図鑑1~856貫目は旧コンテンツからの移行データの為、小さい写真の記事が多くあります。

薔薇目抜/バラメヌケ

ばらめぬけ / バラメヌケ
薔薇目抜/バラメヌケ
握り

「夏枯れか?」
 八王子魚市場、仕入れにきた寿司屋がつぶやいた。
 場内は七月下旬となってがらんと隙間だらけ、黒い床が見えて暗く感じる。
「新サンマが安くならないな」なんて一本手に取ったら、隣になんと一キロ上くらいのバラメヌケが二匹。
 深海生の赤いメバル属を一般に「目抜類」と呼ぶ。
 この鮮やかな赤色が意外に空気にふれると飛びやすく、なかなか色の美しいのに出合わない。
 特にバラメヌケの色落ちが早いようなのに、ここにある青森産はまだまだ鮮やかな赤色をしている。
 値段を聞くとキロ当たり2800円。
 目抜類でキロ当たり3000円を割ると安く感じる。

 これを買い求めて、自宅で三枚に卸し、湯引きして『市場寿司 たか』に持ち込む。
 前回は無常にも皮をいきなり引かれてしまった。
 その予防策に仕込みはボクが担当する。

 たかさんには、ネタを渡してたんたんと握っていただく。
 まずは、たかさんから。
「うううーん、小さいようだけど、脂があるね。身がトロっとしてる。皮もうまい。これキロ幾らした」
 2800円だというと、
「ウチじゃ、無理な値段だね。最近は単品で好きなネタ頼まれるようになったけど、まだまだ少ないからね」

 ネタを舌に受けて、まずトロっと感じるのは当然脂があるせいだけど、バラメヌケの場合、それ以上になにかある。
 当然、皮の旨味も強くて、身のも旨味がある、そして甘い。
 口の中がお祭り騒ぎとなり、一個食べると、やめられなくなる。
 見やると、たかさんも手が止まらなくなって、どんどん握っている。
 お客に回す分が残るか、心配になる。

 いかな寿司屋とはいえ、お客のことばかり考えていられるわけがない。
 あまりにうまいネタは、そーっと片隅に隠すことも。
 寿司屋に入って、席に座りネタケースの隅から見ていくというのも正解なのだ。

寿司ネタ(made of)

バラメヌケ
Rose-rockfish, Brickred rockfish

バラメヌケ
北海道ではもっともたくさんとれるもの。
赤魚類全体の値上がりから、本種も非常に高価なものとなっている。
ただし古くは比較的安く、総菜魚として普通だった。・・・・
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