寿司図鑑1~856貫目は旧コンテンツからの移行データの為、小さい写真の記事が多くあります。
平鯛/ヘダイ
へだい / ヘダイ
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10月13日は鳥取の賀露漁港にいた。
案内は浜勝商店の十九百(つづお)さん。
大きな紅いか(ソデイカ)がずらりと並ぶ、その先に定置網で揚がったものだろう地魚があった。
きんめ(チカメキントキ)、あこう(キジハタ)、ウマヅラハギにヘダイがたっぷりと並んでいる。
形はマチマチなのだけど、小型のものを指さして、
「これくらいのが、これから脂がのってうまくなるんです」
十九百さんが教えてくれる。
「そうすると鳥取ではヘダイは冬のもんですね」
「そうじゃろうな」
そして旅から帰り着いて一週間、日常生活をとりもどしての市場歩き。
八王子で手頃なヘダイを見つけた。
産地は和歌山県。
手のひらほどの大きさである。
「きれいな魚だよな。なんで“へ”がつくんだ?」
たかさんが無闇に子供っぽいことを言う。
卸すのに時間はいらぬ。
あっという間に二かんがくる。
このサイズで片身二かんなのだ。
何も言わないのに片方を醤油洗いしてある。
最近、握る前に生醤油で洗う、というのをたかさん盛んにやるのだ。
これは戦前までのすしの技法のひとつで、ボクが本の記述から見つけて、いろんな魚で試しているところ。
ヘダイの握りは平凡だった。
思ったよりも脂があって、まずいワケじゃない、むしろ美味なのだけど、「だから、どうだ」というほどのインパクトに欠ける。
そこに醤油洗いがくると明らかに、こちらがいい。
不思議なことに、生醤油で洗って、ほんの2、3分なのに魚の旨味が浮き立つのだ。
生の握りだと、生醤油は味付けだけど、予め醤油で洗うと、料理だと言うことがわかる。
「たかさん、鳥取に十九百さんという松葉蟹のプロがいるんだけど、その人がヘダイはこれからどんどんうまくなるんだって」
「そう、目立たない魚だから、めったに買わないけど、今年は月ごとに試してみようか」
寿司ネタ(made of)
ヘダイ
Goldlined seabream, Silver Bream 枋頭,黃錫鯛,平鯛
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