寿司図鑑 725貫目
寿司図鑑1~856貫目は旧コンテンツからの移行データの為、小さい写真の記事が多くあります。

沖虎鱚/オキトラギス

おきとらぎす / オキトラギス
沖虎鱚/オキトラギス
握り

海老名在住の海老さんにアマダイ釣りの代表的な外道オキトラギスをいただいた。
 アマダイ釣りは相模湾の秋から冬の季節限定で、新しい季語にしたいものだ。
 当然、大きなアマダイもお裾分けにあずかり、そちらの方が主役なのだが、今回は脇役がうますぎた。

 金曜日に釣り上げて、一貫目氷をしっかりかませておいたものだから、鮮度はずば抜けていい。
 ただしトラギス類は皮に旨味があり、身は少々淡白に過ぎる。
 寿司ネタに、このやや硬い皮は使えないので一工夫が必要となる。

 さて、まずは水洗い。
 三枚に卸して血合い骨を抜き、皮を引く。
 振り塩をして二時間ほど寝かせる。
 水洗いして、昆布に挟む。
 結局一日半昆布で締めて、締まりすぎかな?
 心配しながら『市場寿司』を目差す。

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●クリックすると拡大

 たかさん、ラップを取り、一枚一枚昆布をはがしていく。
「締まりすぎだろうな。自信ないよ」
 まずは一枚、たかさんが味見。
 だまった二かんほど握る。

 口に入れた途端に「あ」っと声がこぼれてしまった。
 それほどにうまいのである。
 ここで予め書いておかなければならないのが、オキトラギスの旨味・味わいは昆布で締めても生きているのか? ということ。
 これが全然わからないのだ。
 たかさんと一致しているのは昆布締めにしてうまい魚と平凡な魚はあるが、まずい魚はないということ。
 うまい魚の条件というのもわかってきて、ようするに淡白でクセのない方がいい。
 オキトラギスなどまさにその最たるものだ。

 しかも口に入れて、昆布の香りと旨味が来る。
 そこに適度な食感があって、ちゃんと白身の味もする。
 魚のうまみよりも昆布のうま味の方が上回っているかもしれないが、全体に感じるうまみが、非常に高い濃度を持っている。
 そのうま味を受け止めるのがすし飯なのだけど、このバランスが絶妙なのだ。

「また釣ってきてほしいね」
 たかさんもうまさに呆然としながら呟く。
 釣り名人の海老名の海老さんに、「またトラギス釣ってきてね」とお願いしてみよう。
 しかしあくまでアマダイ釣りの外道。
 ベテラン釣り師に叱られそうだ。
 ことほど左様に“脇役主役を食う”ということ、世間には少なくない。

寿司ネタ(made of)

オキトラギス
Gold-birdled sandsmelt

オキトラギス
マイナー魚。
底曳き網などで揚がるがまとまってとれないので、流通上はほとんど知られていない。
むしろ釣りなどに混ざる魚として関東では知られているかも。・・・・
市場魚貝類図鑑で続きを読む⇒

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