寿司図鑑 738貫目
寿司図鑑1~856貫目は旧コンテンツからの移行データの為、小さい写真の記事が多くあります。

白ばい/エッチュウバイ

しろばい / エッチュウバイ
白ばい/エッチュウバイ
握り

去年金沢に行った。
 肌寒の候で、早朝からの市場視察のなんと大変であったことか。
 そんな凍えるような金沢中央市場で見たのが、大量の島根県隠岐産の「白ばい」である。
 殻長15〜16センチある見事なもので、市場の方達が盛んに「私ら、隠岐の白ばいがなかったら商い(あきない)できません」と教えてくれたものだ。
 それほど隠岐の「白ばい」の評価は高く、残念ながら関東にはまったく回ってこないのだ。
 なんとか手に入れようとしたのだけど、結局諦めて山口県産ので我慢することに。

 金沢の市場で聞いたのが、「白ばいを剥き身にして塩もみ、これをあられ(細かく切る)にして軍艦にする」という食べ方。
 要するに金沢の町では「白ばいの軍艦」なくして営業できない状態なのだという。
 そんなにうまいんだろうか?

 「白ばい」は築地場内コアミでキロ当たり950円で買ったもの。

tukijide090202.jpg
●クリックすると拡大

 7、8つぶもあり、これを剥いて、唾液腺などを取り去り、良く良く滑りを出して洗い、最後に塩もみした。
 水分を切り、冷凍する。
 これは家庭用の冷凍冷蔵庫で、どれくらい味わいが劣化するのかを試すためだ。
 金沢の回転寿司などでは、国内産のものを一度期に処理して冷凍して使っている。
 だから金沢市民は年中「白ばい」の軍艦が食べられるのだ。

 『市場寿司 たか』で流水に袋ごと入れて解凍。
 これをあられに切る。
 軍艦嫌い・巻き貝嫌いのたかさんをなだめながら作ってもらった握りは、なんともきれいだ。
 ここに浅葱など添えると彩りが一層良くなりそうだ。

 さて、そんなに期待しないまま、口に放り込んだ、たかさんが先に声を上げる。
「あれれ、うまいなこれ」
 そこにチョンマゲ姿のマグロ屋が来たのでコヤツにも食わせる。
「おお、これうまいな。もうひとつくれ」
 なんでだろう?
 「白ばい」の甘みが真っ先にくる。
 そしてコリコリとして、すし飯にあたる。
 一かんの味わいとしては軽いのに、旨味が殷々と続いている。
 もう一かん欲しくなる。

「これは知らなかったな。巻き貝なんかは軍艦にするのがいいんだね」
 もともと巻き貝を握ること自体が嫌いな、たかさんがこんな事を言う。
 一度に処理して、冷凍保存したものなのにこんなにうまい。
 その上、すしネタとしても簡単便利極まりない。
 これはすぐに関東でも流行りそうだ。
 
2009年2月20日

寿司ネタ(made of)

エッチュウバイ
Finely-striated buccinm

エッチュウバイ
日本海で主に揚がる「ばい貝」と呼ばれているものの多くが本種。
主な産地は山口県と島根県。両県でとれたものが関東などにも盛んに入荷してくる。
西日本では煮ものだけではなく刺身で食べることも普通だが、関東など東日本ではあまり刺身では食べない。そ・・・・
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