寿司図鑑1~856貫目は旧コンテンツからの移行データの為、小さい写真の記事が多くあります。
樺太鱒握り
からふとますにぎり / カラフトマス
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マスといえば、世間一般ではニジマスだが市場の感覚ではカラフトマスなんじゃないだろうか? 晩春に関東の市場をにぎわすアオマス(青鱒)もカラフトマス。初夏になると銀色の立派な成魚がやってくる。そういえば春から夏、秋へとサケ科の魚の盛期を迎えることになる。
「やっぱりホンマス(本鱒)と比べると、落ちるな」
野付産のカラフトマスの前で近所の魚屋オヤジがつぶやく。
春のサクラマスと比較して、とても買う気になれないという。
これを尻目に洋食系(フレンチ)のシェフが2本、3本とまとめ買いする。
「天然ですからね。うちは有機野菜と天然魚、有機飼料で育てた牛なんかしか使いませんから」
この店が最近繁盛しているんだという。まあ、どうでもいいことだけどカラフトマスは総て天然、養殖はする価値がないのか、していない。
ということで天然のサケは一度凍らせないと生では食べられないので、1本買い求めたカラフトマスの4分の1をマリネーに、後は塩鱒にする。
マリネー液は白ワインと白ワインビネガーを、一度沸騰させただけの簡単なもの。
ハーブ類は乾燥タイムのみ、塩こしょう、砂糖で調味する。振り塩したカラフトマスの身を水洗いしてマリネー液に半日漬け込む。マリネー液から取り出して冷凍庫で2晩寝かせる。
この洋風に仕込んだカラフトマスに喜んだのは、たかさんだ。一口食べるや、お気に入りとなった。
「マスってちょっとクセがあるじゃない。それ日本の酢じゃとれないよね。いいねー、初めてマス食べてうまいと思ったよ」
ちなみにマリネーは試食してもらった市場人総てに好評だった。
握りにしたら、もっとよかった。ワインビネガーと日本の酢がけんかするのではと思ったら、意気投合したようで、まったく違和感がない。不思議なほどバランスがとれている。
カラフトマスのクセはまったくなくなったわけじゃなく、フワリと浮き上がってきて、それがほどよい。サケ科らしい旨味に、ちゃんと脂がのっているのが、これまた好ましい。
「たかさん、これなら店にも出せるでしょ」
「出せるけど仕込みが面倒そう。うちは(酢締めは)コハダでいいや」
寿司ネタ(made of)
カラフトマス
Pink salmon, Humpback salmon
英名、ピンクサーモン、北海道では「あおます(青鱒)」と呼ばれる。北太平洋にいるサケ属ではもっとも小型で、もっとも資源量が多い。本種は国内ではオホーツク海、北海道東部太平洋沿岸が主要な漁場なので・・・・
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