寿司図鑑 850貫目
寿司図鑑1~856貫目は旧コンテンツからの移行データの為、小さい写真の記事が多くあります。

牡丹海老/ボタンエビ

ぼたんえび / ボタンエビ
牡丹海老/ボタンエビ
握り

久しぶりにボタンエビの入荷をみた。
ボタンエビの久々の入荷と聞いて奇異に感じる人は、なかなかの魚通である。
実は世にいう「ボタンエビ」とは主に北海道でとれるトヤマエビのことだ。
すし店などでの」ボタンエビ」は現在、3種のエビの総称となっている。
そして国産は2種。
「ボタンエビ」と呼ばれる国産2種は生で食べるタラバエビ科のエビでは味の点では双璧をなしているが、
同科同属ながらトヤマエビは日本海にあがり、本種は太平洋でとれる。
漁法もトヤマエビはカゴ漁、ボタンエビは底曳き網でとる。
資源量もトヤマエビの方が安定していて、ボタンエビは不安定だ。
すし通なら、こんなことも覚えて置い欲しいものである。

ちなみに今回の荷(入荷してきた箱入りのエビ)の漁場は常磐、水揚げ港は銚子である。
当然産地は千葉県となるが、門外漢ながらこの産地表示、変だと思う。
産地は漁業海域で示すべきだろう。

さて、今回のボタンエビはキロあたり卸値で3500円で1尾1かんなので種の原価200円弱である。
もともと価格の低い八王子とはいえこれは安すぎる。
築地のエビ専門店だと、間違いなくキロあたり4000円を超えているはず。
ボタンエビはタラバエビ科でもっとも高価なのである。

腹肢に抱いていた卵をのせたものも、別に卵粒自体に旨みがあるわけでないが、目先が変わってよろしい。
合いの手に頭部のみそをすすり込み。
こまったことに下駄の上の5かんが瞬時になくなる。

これをすし職人はどう評価するか?
つけ場のたかさんを見ると、自分で握って、次々に食べている。
すし職人も手を出したくなるエビだということで、お後がよろしいようで。

寿司ネタ(made of)

ボタンエビ
Pink prawn, Pink shrimp, Botan shrimp

ボタンエビ
一般にボタンエビと呼ばれるトヤマエビが日本海、北海道などに多いのに対して、主に太平洋側にいるのが本種。
古くは福島県以南で底曳き網、カゴ漁などでとっていた。カゴ漁は禁止され、今は底曳き網のみでとっている。一時、激減し市場からほとんど消えてし・・・・
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