ハチビキの手こねずし
はちびきのてこねずし / ハチビキ
握り nigiri軍艦巻 gunkanmaki海苔巻 Norimaki丼・ちらし Don/Chirashi郷土ずし Kyoudozushiなれずし Narezushiいずし Izushiいなりずし Inarizushiその他 Others
近年有名になった「手こねずし」だが、ときどき伊勢名物だなんて言う人がいて驚く。「手こねずし」は三重県でも外洋、太平洋に面した志摩地方の郷土料理であって、内湾、伊勢湾に面した伊勢の郷土料理ではないのだ。
外洋に出てカツオを釣り上げる。食事は船上でとるのだけど、腐りにくい、すし飯だけ持って行く。釣れたカツオを適当に切り、醤油に漬け込んですし飯に手で混ぜ込んで(手でこねて)即席に作った料理である。
醤油に漬け込んだカツオ、もしくはキハダマグロなどの赤身は家族の土産にもなる。その内、家庭でも作るようになり生醤油だけではなく砂糖醤油につけ込むように変わる。これが「手こねずし」の起源なのだ。家庭によっては、季節季節にとれた多彩な魚を使って作るようにもなる。
その志摩地方に生まれ育った、林市兵衛さんに教わったのが赤身ではなく、身は赤いが赤身ではない「ハチビキの手こねずし」だ。ハチビキの赤は赤身魚のミオグロビンから来るものではなく、色素によって赤い。味わいは白身と赤身の中間的なものである。うま味が豊かなのも赤身魚に似ている。
ハチビキは水洗いして三枚に下ろし、血合い骨・腹骨を取る、やや細かく切り、砂糖醤油につけ込んでおく。2、3時間から半日漬け込んですし飯に混ぜ込む。醤油漬けを混ぜ込むのですし飯が少し醤油色に染まる。それこそが「手こねずし」らしさだ。
昔、志摩地方の女性に、「手こねずしは一升、二升では足りぬ」と言われたことがある。まさにそんな味である。
2022/09/17
寿司ネタ(made of)
ハチビキ
Japanese rubyfish 台湾/史氏紅諧魚、紅鰱魚、紅肉欉仔、紅嘴唇仔、紅唇仔、紅魚仔、白肉蒜,紅肉蒜
関東などでは昔、筋肉が赤いので「赤鯖」と呼ばれて非常に安い・・・・
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