寿司図鑑 1197貫目

真つぶのにぎり

まつぶのにぎり / エゾボラ
真つぶのにぎり
握り

価格ランク

やや高級

 市場での呼び名が「真つぶ」。これは北国に数ある「つぶ」と呼ばれる頂点にあるという意味。「つぶ」の基本的な食べ方は生食。貝らしい甘味を伴ううまさと、生らしい味を楽しむもの。そこに「つぶ」ならではの食感のよさが加わる。
「真つぶ」と呼ばれるエゾボラの場合、甘味もうま味も、貝らしい風味も食感もいい。北海道だけでとれるので、当地ではすしダネとしても普通。どこの店に行ってもネタケースに並ぶ。
 ただしすしダネとして使うかどうかは別。関東では食感のよさは、すし飯との馴染みの悪さとイコールであると嫌う職人が多い。たかさんもそのひとりだ。たかさんは東京で修業して東京で開店したひとなので、サザエをはじめ巻き貝全般を嫌う。
 そこで市場で2、3個買い、その場で滑りを出して、下ごしらえして『市場寿司』に持ち込む。あとは切りつけるだけだが、これが大変。
「そんなに薄く切らないで、こんもりと分厚く握ってくれるかな」とお願いしても薄いこの葉状に切ってしまう。これをなだめて一かん。
「これじゃー、すし飯と合わねーだろ」
「つぶ」の刺身自体は好きなので、盛んに口に放り込んでいるのが笑える。
 実は「つぶ」はすし飯と合わさった適度に溶けるのである。これはアワビなども同じ。確かにすし飯に置いて行かれる感はあるものの、馴染みが悪いとは思えない。
 それ以上に「つぶ」の甘さとすし飯の酸味、甘味が調和しているのがいいのだ。うまいとしか表現しようがない。
 私好みの握りなので、ついつい食指が伸びる、そんな一かんなのだ。

寿司ネタ(made of)

エゾボラ
Ezo-neptune, Whelk, Winckle

エゾボラ
日本海、東北太平洋側以北などで主にとれる巻き貝。唾液腺にテトラミンという弱い毒素を持っていることから、これを除去して食べる。古くは比較的地域的な水産物だった。徐々にエゾボラ(マツブ)の味の良さが認められて全国的なものとなり、近年では高価なも・・・・
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