クログチの握り
くろぐちのにぎり / クログチ
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クログチはニベ科のなかでも大きくなり、身の色合いもシログチやニベとはまったく違っている。シログチはどちらかというとスズキに似た味わいであるが、本種はマダイに似た味をしている。関東には静岡県などから鮮度のいいものが稀に入荷してくるが、馴染みがないので安いのもありがたいところだ。河岸に出ていたら迷わず買う魚のひとつ。
産卵期を控えた5月の1キロ弱を仲卸で見つけて速買い求める。産地はやはり静岡県。たかさん(すし職人、渡辺隆之さん)が皮を引いたら、実に美しい血合いが現れて、その血合いの上に脂が層をなしているのがはっきりわかる。切り身を口に入れたたかさんが「うーん」を声を出す。
「うますぎるね。昨日仕入れたタイがいらなくなる」
「5月のマダイよりは、クログチの方が数段上かもね」
出てきた三かんが、下駄の上でまるで花のようである。
まず一かんはそのまましょうゆを浸して口に放り込む。口の中でネタの表面がとろける。身に甘味があり、食感がいい。
「官能的だね」
二かんめはすだちの薄切りをのせて香りづけをして、口に放り込む。このすだちとの相性がとてもよい。うまいだけではなく、もうひと味プラスというか、より官能的な味になる。最後の一かんもすだちの香りをプラスして口に放り込む。
「たかさん、エロチシズムを感じる握りだね」
「よくわからんが、あと二かんかな」
「正解!」
2013年05月08日
寿司ネタ(made of)
クログチ
Blackmouth croaker
東日本よりも西日本でよく食べられている。東海以西、九州などに行くとよく見かける。身は刺身に皮は別立てで売られているのを見たことがあるが、この皮がうまそうで旅の最中であるのがうらめしく感じ・・・・
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