寿司図鑑 1218貫目

縞えびの握り

しまえびのにぎり / モロトゲアカエビ
縞えびの握り
握り

価格ランク

高級

 標準和名のモロトゲアカエビはほとんど知られず、すしダネでも料理店でももっぱら「縞えび(しまえび)」と呼ばれている。北海道から島根県までの日本海で水揚げされるが、関東にくるものは主に北海道産である。増毛などからくるものは、入荷時にも生きて動いているものがあり、びっくりすることがある。
 甘えび(ホッコクアカエビ)同様に甘味が強いが、プラス身の充実度というか、甘えびに優る食感がある。当然、甘えびよりも高く、北海道産タラバエビ科の頂点、ぶどうえび(ヒゴロモエビ)には及ばないが、ぼたんえび(トヤマエビ)とおっつかっつの値段がする。すし屋に入って「縞えび」をお願いすることは散財だな、と思う。
 頭部にはみそがあり、これがなかなかの味だけれど、たかさんは素直に握りにして出してきた。頭を小皿に別盛りで出してきたのは、「よろしかったらどうぞ」と言う意味だが、「それほど生えびのみそにこだわらなくてもいい」という意味合いもある。
 ときに頭が脇にあると煩わしく思うこともあるので、この素直な一かんが爽やかでよろしいなー。
 口に放り込むと実に甘い、甘いの後にすし飯と合わさって、ぷりっとして存在感がありますなー。実にうまい。握りとしての完成度も高い。
 無類の一かんである。
2012年09月24日

寿司ネタ(made of)

モロトゲアカエビ
Morotoge shrimp

モロトゲアカエビ
島根県以北の日本海で水揚げがあるが、流通する多くが北海道産である。一般にはシマエビ(縞えび)と呼ばれ、標準和名はほとんど知られていない。「ぼたねび(トヤマエビ)」、「甘えび(ホッコクアカエビ)」などと比べると量が少ない。輸送に強いため、首都・・・・
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