寿司図鑑 1263貫目

クルマダイの握り

くるまだいのにぎり / クルマダイ
クルマダイの握り
握り

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 クルマダイの「くるま」は平安時代の『今昔物語』などに出ている「火の車」からきたものではないか。炎のように赤くて、どこかしら仏教的な形をしている。
 主に相模湾以西に生息する深海性の小魚で、あまり数がとれない。毎月のように駿河湾の沼津魚市場に水揚げを見に行くが、そのたびに必ずクルマダイが揚がっているが、なぜかそれがいつもぽつんと1尾だけなのだ。それをお願いしてもらってくるのが楽しみだ。なぜなら、この魚、実にうまいのである。
 キントキダイ科の特徴は硬い鱗。この鱗つきのまま皮を引いてしまう。と、中から現れるのは実に美しい白身である。その白身を保鮮紙にくるんで、『市場寿司 たか』まで急ぐ。たかさんに、小さな魚であるからと1尾で4かんの握りをつけてもらう。
「いい味してるね。でもこれなに?」と驚くたかさんに、どうせ教えてもすぐに忘れてしまうに決まっているので知らんぷりをする。
 たかさんはいつわりのない顔で、「うまい」を連発しながら
「少ないながら脂があって、甘さもあるね。後味もいいなー」
 少々軟らかく感じるのは脂がのっているせいだろう。この「軟らかい」は決してもろい、とか脆弱ではない。
 たかさん「今度いつ沼津に行くんだい?」と言わしめるほどの味の一かんである。
2005年10月08日

寿司ネタ(made of)

クルマダイ
Japanese bigeye 台湾/日本大鱗大眼鯛、日本鋸大眼鯛、紅目鰱、嚴公仔、大目仔(臺東)、紅目孔(澎湖)、紅嚴公(澎湖)

クルマダイ
やや温かい海域の底曳き網や定置網、延縄などで揚がる。水揚げ港でも1日に数個体という少なさなので雑魚として出荷されないことも多い。漁師さんなどで本種のうまさを知っている人は多いので、おかずになってしまっている可能性も高い。
キントキダイ科のな・・・・
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