寿司図鑑 1266貫目

かます姿ずし

かますすがたずし / アカカマス
かます姿ずし
郷土ずし Kyoudozushi

価格ランク

並

 紀伊半島から四国にかけてよく作られているのがカマス一本を使った姿ずし。しっかり酢でしめたもので、四国のものの特徴はすだちやゆずなどの柑橘類を使うことと、甘さ控えめで上品な味であることだ。徳島県でも「かますの姿ずし」を作るのは海縁の町、もしくは徳島市内などではないだろうか? 山間部ではとんと見かけたことがない。
 さてこの徳島県の海岸線、阿南市から南下して海陽町を経て、高知県に入って最初の町が東洋町である。徳島県最南端の宍喰町(現海陽町)の方に聞くと、東洋町と、宍喰町の共通点は数知れずあり、家の造りまで同じであるという。「違うのんは言葉だけじゃなー」とのこと。ほんの数キロの違いではんなりした徳島弁が、荒っぽい土佐弁に変わる、これが実に不思議であるそうな。
 海辺の県境を越えてすぐ、国道沿いにあるのが「海の駅 東洋町」。ここで発見したのが「かますの姿ずし」である。これがとても徳島県のものと似ている。徳島の海縁の町の食文化と、南下して高知に入って見られる食文化は連続していて変わらないのがよくわかる。
 カマスはよく塩と酢で締まっている。ほんのりとゆずの香りがするが、これはすし飯からくるのか、カマスからくるのかはわからない。カマスもすし飯も実に爽やかで甘さも控えめなのもあって、食べやすく、食べ飽きない味である。
 なんとなく懐かしいと感じるのは山間部ではあるが徳島生まれのせいかも。
2014年10月17日

寿司ネタ(made of)

アカカマス
Red barracuda

アカカマス
古くは比較的南の海域に多いとされていた。これが今、北上傾向にあり東北などでも水揚げがある。
比較的水揚げ量の多い魚であり、漁業的にも重要である。
アカカマスを「本カマス」、ヤマトカマスを「水カマス」という。沿岸域で揚がるカマス科の魚で、この・・・・
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