寿司図鑑 617貫目
寿司図鑑1~856貫目は旧コンテンツからの移行データの為、小さい写真の記事が多くあります。

筍目張/タケノコメバル

たけのこめばる / タケノコメバル
筍目張/タケノコメバル
握り

八王子魚市場で久方ぶりにタケノコメバルを見つけた。
 この魚は唐突に入荷してくる。
 関東ではあえて探しても見つからないけど、珍しい魚でもない。
 例えば、漁業対象としては本命から外れるが、三陸などでは陸っぱり釣り師(磯や防波堤から釣る)にはなじみ深いもの。
 港周りのゴロタ石をルアーで探ってヒョイヒョイっと釣り上げる。
 ときに40センチ近い大物が細いルアー竿を弓なりにするのだからたまらない。

 さて、今回のものは大小入り交じり、それでもキロ当たり1600円はいい値段である。
 これを買い求めて、たかさんに渡す。
 ちょうど来合わせた居酒屋の主人とともに、「これはなんだー?」。
「こんな魚初めて見たな。ハタの仲間ですか」
 この若い料理人は勉強熱心なのだ。
「カサゴの仲間なんだけど、ちょっとスマートだし、あまり入荷してこないから一般には馴染みがないのさ。三陸なんかでは定置に少ないけど入る、そんな魚だね」
 たかさん、しみじみタケノコメバルを眺めて、ていねいに三枚に卸し、しかも頭を梨割りに、中骨もとんとんを切り離す。
「うしお(潮汁)にしたらうまそうだからね」
 握ったら、残念なことにそんなにうまいものではなかった。

「鮮度が落ちるのが早いのかね。身が柔らかい。それに味がないね」
「そうだね。旨味も脂も少ないね」
「私もそう思いますね。寿司飯に負けてますね」
 三人とも握りとしてはそんなにうまくないという意見で一致。
 これが活けなら違ってきそうだけど。

 このアラを若い料理人に差し上げる。
 翌日、「浦霞」の四合瓶をいきなりボクに手渡して、
「あの昨日の魚のアラ最高でした。勉強させていただきました」
 タケノコメバルのアラが「浦霞」に化けるなんて思いもしなかった。

寿司ネタ(made of)

タケノコメバル
Oblong rockfish

タケノコメバル
北海道から九州までと朝鮮半島の比較的浅場に生息する。流通の場ではそれほど珍しくはないが、探すと大変、そんな魚だ。
個体数が少なく一般に認知度が低いのと、見た目の立派さのわりに味が平凡であるため、同じメバル科でもカサゴと比べると評価は低い。・・・・
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