寿司図鑑 630貫目
寿司図鑑1~856貫目は旧コンテンツからの移行データの為、小さい写真の記事が多くあります。
寿司図鑑1~856貫目は旧コンテンツからの移行データの為、小さい写真の記事が多くあります。
カサゴ&タケノコメバル
かさご&たけのこめばる / カサゴ & タケノコメバル
握り Nigiri軍艦巻 gunkanmaki海苔巻 Norimaki丼・ちらし Don/Chirashi郷土ずし Kyoudozushiなれずし Narezushiいずし Izushiいなりずし Inarizushiその他 Others
いりあいは宝だ
お盆明けの市場は魚が払底している。それなのに『市場寿司 たか』にはたくさんの白身が並ぶ。
「なにこれ、ちょっと色合いが違う白身があるよね」
「ああ、“りゅうおう”って書いてあった箱のなかにあったやつ。“りゅうおう”ってなんだろうね」
頭だけ残っていたので見せてもらう。
タケノコメバルにカサゴ、詳しい同定はできないけどメバルのBだと思えるもの。
「ケンちゃんのところにあってさ。安かったし鮮度がいいから残ってるだけ買ったんだ」
タケノコメバル、カサゴ、メバルのでどれが“りゅうおう”なのだろう。
ケンちゃん(ケン水産)は八王子総合卸売センターの仲卸で川崎北部市場に仕入れに行っている。
八王子の市場の面白いところは築地、太田、川崎北部、横浜など仕入れてくる大本の市場が違うことだ。
そして神奈川県の市場の特徴は、当たり前だけど相模湾、東京湾西部の地魚にある。
きっと横須賀か佐島あたりだろう?
考えていても仕方ない。
佐島のシンさんに電話を入れる。
シンさんは大楠漁協(神奈川県佐島漁港)の職員をしている。
「シンさん、“りゅうおう”って知ってるかな」
「それなら佐島じゃなくて長井かな。イズカサゴのことなんです」
そうか「竜王」というくらいだから竜に似ていなくてはおかしい。
イズカサゴの頭部は竜そっくりだ。
「たかさん、その入相(入合)には他になにか入っていなかった」
「そうだ。これ半分、入合の残りだよ」
先に“りゅうおう”を買い求めた業者は偉い。
イズカサゴは少々難点があってもキロ当たり2000円前後する高級魚なのだ。
それなのに欲のないケンちゃんは……。
「たかさん、これとこれを握ってよ」
残った頭をさして、カサゴとタケノコメバルを握ってもらう。
●注/『市場寿司 たか』は原則的に1かんの値段が150円
タケノコメバルは白身だけどやや赤みがかっている。
残念なことに味はイマイチだ。
思ったよりも旨味に欠けるし脂も少ない。
「たかさん、こっちはあまりうまくないね」
「そお、でも白身としては、それで充分だろ」
「まあね……」
●クリックすると拡大
それでは、と今度はカサゴを食べてビックリ。
白身が膨らんで見えるのはどうしてだろう。
口に放り込んだ途端に白身から旨味が感じられる。
かなりしっかりした味わいで、甘味が楽しめる。
「おお、これはすごいな。旨すぎるんじゃない。いったいこれ幾らしたの」
「買った値段は●●円でした」
それはカサゴ類の値段としては信じられないものだった。
さて、入会(入合とも入相とも)はまことに魅力的だ。
港などに魚が水揚げされると、魚貝類は種類別に箱詰めされていく。
でもどうしても一種で一箱にならない場合があって、そんなときには複数の種類でが混ざってしまう。
これがいろいろ入っているんだから高くて当然だよね、と思っていたら、逆に安いのだ。
安くなるのはスーパーなどの大口で扱えないため。
小さな魚屋や料理店で目の利く(料理が上手な)経営者は、この入相に大きな価値と利益を見いだしている。
だいたい入相に入っている魚はまことにまことに魅力的なものが多い。
ボクはかねがね個人的に「いりあい倶楽部」というのを結成したいと思っている。
だれか入会しませんかね。
佐島港のさかな達
http://members.jcom.home.ne.jp/shin-sajimakou/
寿司ネタ(made of)
カサゴ
Marbled rockfish
市場魚貝類図鑑で続きを読む⇒
この寿司ネタの他の寿司(Others)
寿司ネタ(made of)
タケノコメバル
Oblong rockfish
珍しいと言うほどではないが流通量は極めて少なく。流通上での認知度も低い。
大型になり、目立つ見た目なので、意外に高値をつけるが、味は平凡とい・・・・
市場魚貝類図鑑で続きを読む⇒