寿司図鑑 664貫目
寿司図鑑1~856貫目は旧コンテンツからの移行データの為、小さい写真の記事が多くあります。

カレイの裏表/マコガレイ

かれいのうらおもて / マコガレイ
カレイの裏表/マコガレイ
握り

真っ白な裏側。こちらの方がうまいと思うけどね

 見事なマコガレイを見つけて『市場寿司 たか』に持ち込む。
 ちゃんと締めてあって、身がしっかりと硬い。
「これはいいでしょう。宮城産だって」
「いいけど、平凡なもん持ってくるね」
「そうかな。マコガレイがうまいのは夏から秋口だと思うんだけど、まだうまいかどうか知りたかったわけ」
「でも、これくらい身が盛り上がっていて、鮮度もいいんだから味は大丈夫だろ」
 こう言われると、あえてマコガレイを持ってきた意味が薄くなる。

「じゃあ、裏と表どっちがうまいか食べ比べよう」
「そりゃ、表だろ。決まってるじゃん」
 裏、表と言うけれど、本当は「裏」が「左」であって、「表」が「右」になる。

ura081010.jpg
●クリックすると拡大
裏と比べたら旨味が薄いと思った。こちらが表です

 お互いに裏(左)と表(右)を食べてみる。
 握りにしてみると裏と表は明白にわかる。
 裏側はそれこそ新雪の如く、眩しいくらいに白い。
 表はほんの少し薄汚れて見えるのだ。
「見た目は裏側がうまそうだけどな」
 実際に食べてみても裏側の方が旨味甘味とも強いように思える。
「いやあ、そんなことはないな。表側がうまいよ」
 こういう微妙な点で意見が分かれると話がまとまらない。
 しかし、今回のマコガレイはうまいのだ。
 表裏とも、非常に旨味が強い。
 すし飯との相性というか、力(味)比べからしても互角だろう。

 さて、裏と表、ボクとしては間違いなく「裏の方がうまい」とは思う。
 表裏、表裏と食べて、明らかに強弱強弱と旨味の波を感じたのだ。

寿司ネタ(made of)

マコガレイ
Marbled sole, Flounder

マコガレイ
九州北部から北海道の沿岸域で水揚げがある。カレイ類ではもっとも馴染み深い種のひとつだ。今現在、単にカレイというと関東などでは本種を指すことが多い。内湾生で関東、中部、瀬戸内海など大都市圏の近くでまとまってとれるので、消費地でもっとも馴染み深・・・・
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