寿司図鑑1~856貫目は旧コンテンツからの移行データの為、小さい写真の記事が多くあります。
真子鰈/マコガレイ
まこがれい / マコガレイ
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マコガレイというのは野締め(漁の途中で死んでしまう)なら総菜魚、活け締めなら超高級魚となる。生で食べるには、やはり生きていないと価値がない。旬は春から秋口、近年では寒くなっても味わいが落ちない。関東には日本全国から入荷してくる。それがマコガレイの旬を長くしている最大の理由かも知れない。
さて、6月、7月となって、暦通りに、見事な活け締めのマコガレイの入荷を毎日のように見ている。魚屋の店頭にヒラメと一緒に裏側(白い方)を上に並ぶ。その活け締めのマコガレイが、ヒラメの値を上回っているのだ。
ほどよい大きさのを見つけて、『市場寿司 たか』に持ち込む。見慣れた魚だから、たかさん無言で下ろし始める。
五枚に下ろして、並べた身が微かに飴色をしている。
まずは刺身で味見。これが舌をしびれさせるほどにうまい。まして縁側のうまさには二人して絶句。
「たかさん、味はどう?」
「ああ、大げさだけど、“(すし)職人”がビックリするくらいにうまいね。最近じゃ、ついつい養殖のヒラメを使ってしまうけど、夏はマコにした方がいいみたいだね」
縁側を一かんに、身が二かん。初っ端から縁側じゃ、だめだろう。まずは身の方から食べてみる。これが単に刺身で食べる以上にうまい。すし飯と合わさって、相乗効果を生むのだろう。
「マコガレイというのは江戸前の魚だよね。でも昔からあんまりすしネタにしなかったね。独特の香りがするだろ。臭いって言う人もいたし」
「そうなんだ。“上白身”って言葉があるよね。これヒラメのことでしょ。今でもマコガレイをネタにする店は少なそうだね」
最後に残った縁側握りだけど、この脂ののり具合、独特の食感、名状しがたい味って、ことでこれ以上文字にしようがない。
なんだか夏のマコガレイに圧倒されて、平日の午前中だというのを忘れてしまっている。ふと現に立ち戻り、たかさんが魚屋へ本日のすしネタを仕入れに走る。
寿司ネタ(made of)
マコガレイ
Marbled sole, Flounder
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