寿司図鑑1~856貫目は旧コンテンツからの移行データの為、小さい写真の記事が多くあります。
駕籠かき鯛/カゴカキダイ
かごかきだい / カゴカキダイ
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肌寒い候になると待ち遠しいのが、カゴカキダイなのだ。
面白いもので、この魚、八王子という東京近郊の町では、ほんの十数年前までは単に雑魚のたぐいだった。
ときどき神奈川県、静岡県などからくるものの、まったく見向きもされなかった。
これが奪い合いのケンカが始まるほどの人気魚となったのは、誰あろうボクと八王子総合卸売センター『高野水産』社長のなせるわざだ。
たぶん当時、東京都太田市場では「なぜ八王子でこんな魚が飛ぶように売れているのか」不思議だっただろう。
カゴカキダイは関東の磯でも平凡極まりない小魚で、防波堤釣りでもお馴染みだ。
たぶん初めて海釣りをして、初めて釣ったのが、本種だという人も多いだろう。
ボクも釣りを始めた当初は、こんな小魚にも「釣れた喜び」を感じたものだが、その内すぐに「この外道めが」なんて言って、釣り上げるそばから「海ぽちゃ」していたのだ。
その頃の防波堤釣り場は伊豆稲取から、川奈近辺。
ある日、防波堤でいつものようにカゴカキダイを「海ぽちゃ」しようとしたら、それを見ていた老人から、
「ほかすくれーなら、くんなよー」
塩辛い声がかかったのだ。
「これうまいんですか?」
「うめーよー。おら漁師だけんど、定置でもこれだけは持ってけーるだお」
さて、そのとき漁師さんに教わったのが刺身のうまさであり、以来カゴカキダイ様とお呼びして珍重している。
もちろん刺身にしてうまいわけだから、すしネタとしても素晴らしい。
すし職人の渡辺隆之さんも「あのシマシマを見ると、うれしくなる」という。
この魚を見ると阪神タイガースを思い浮かべる。
話はかわるが、別にファンじゃないけど、今年はまことに残念だった。
優勝していればデパ地下の最高峰、阪神デパートで優勝フェアが開かれていただろうに。
そう言えば、この国の不思議なことは優勝争いするほど優れた球団の監督が責任をとってやめる、これが当たり前であるかの如くであること。
この「潔さ」が気持ち悪いし、嘘くさくて薄っぺらい感じがしてならない。
例えば、試合に臨んで「負けたら切腹する」なんていう。
この時代錯誤的な発言もいやだねー。
ボクの偏見かも知れないが、先のオリンピック野球監督を見ていてもスポーツマン=右傾化した人という感じがしてならない。
閑話休題。
さて、今回のカゴカキダイは鹿児島県南さつま市笠沙の「若潮便」のもの。
まだ脂はほどほどながら、旨味が強く、すし飯にも負けない味わいである。
食感がいいところも、うれしいものだ。
小振りのカゴカキダイでも、またやや小振りというのが1尾だけしか入っていなかった。
それでたかさんと片身ずつ味見しただけ。
「カゴカキが毎日(市場に)あったらうれしいね」
たかさんが呟くのだけど、それには破壊されつくした海岸線や磯場の自然をもとどおりにする必要がある。
わかしお君のお魚三昧生活
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