寿司図鑑1~856貫目は旧コンテンツからの移行データの為、小さい写真の記事が多くあります。
松江市内『大鯛寿司』の十二かん、その八喉黒あぶり/アカムツ
のどぐろ / アカムツ
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マアジは島根県を代表する魚、名物だ。
ただ玄人受けはするが、一般人にはやや知名度が低い。
例えば大分県佐賀関の「関あじ」と比べても、一歩たりとも引けをとるこなく、脂ののりや旨味の強さでは、数段上回るかも知れない。
それなのになぜ知名度が低いのかというと、これが島根県人の奥ゆかしさでもあるし、宣伝下手のなせるわざでもある。
それほどのマアジなのだから旬をずらしても、充分に楽しめたのだろう。
名物の次には、またまた島根名物と言えそうな「喉黒(アカムツ)」がきた。
アカムツは千葉県、新潟県から南の、やや深いところに生息する超高級魚。
独特の上質の脂が豊かで、北の「きんき(キチジ)」と緋色の魚では人気を二分する。
名物島根のマアジの次には、またまた名物と言えそうな「喉黒(アカムツ)」がきた。
アカムツは千葉県、新潟県から南の、やや深いところに生息する超高級魚。
独特の上質の脂が豊かで北の「きんき(キチジ)」と緋色の魚では人気を二分する。
このアカムツが豊富にとれることも島根県の漁業を特徴づけている。
だから松江ですし屋に入って、「喉黒」を食べないでは、寂しいだろう。
そんな思いにかられていたとき、目の前に、その主役の一かんがある。
切り付けたネタは皮がついたままで、軽くあぶってある。
アカムツの旨味も脂も皮、皮下に多いわけで、「皮を取り去った」ら味わいは半減する。
皮がやや照りを帯びているのは明らかに溶け出した脂による。
面白いものでアカムツの皮は薄いが、生のままだと、思ったよりもしっかりして噛み切れない。
あぶると皮はゼリー状になって、ゼリーよりもしっかり存在感があり、歯に軽く反発感を一瞬覚え、それが合図であるかのように皮も身もほどけて溶けていく。
すし飯が小さい分、その舌に感じる固形物の感触はすぐに消え去るが、うまさは延々と続く。
脂の甘さがあって、旨味と微かなすし飯の酸味が渾然となって舌にあり、その味わいの衝撃が大きいといったらいいだろうか。
はやりネタもすし飯ももっと大きい方がいいかな、とも思うが十二分の一としてはこれもいいのだろう。
もう一かん食べたいものだ。
思う間もなく、ネタケースの向こうで次の一かんの用意が始まっているのが見て取れる。
若いすし職人はとても静かでいながら、その手元は慌ただしく動いている。
「お茶をかえてください」
カウンターの端で若いすし職人のご両親が見守っている。
女将が素早く動いてすぐに湯飲みが新しくなる。
淹れたばかりの熱いお茶の香りがいい。
大鯛寿司 島根県松江市東奥谷町361-9
寿司ネタ(made of)
アカムツ
Blackthroat seaperch
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