寿司図鑑 1191貫目
あこうの薄造り紅葉下ろしポン酢
あこうのうすつくりもみじおろしぽんず / キジハタ
握り Nigiri軍艦巻 gunkanmaki海苔巻 Norimaki丼・ちらし Don/Chirashi郷土ずし Kyoudozushiなれずし Narezushiいずし Izushiいなりずし Inarizushiその他 Others
薄造りをくるんと巻き込んだ握りはうまいけど、見た目が悪い。考えてみると関東の握りは質実剛健。あまり飾らないし、仕事をしすぎない。それに対して関西の握りはときにやり過ぎの感があるほど、いろんなことをするのである。すし飯に海苔を挟んでみたり、すしダネの下に大葉を挟んだり、しょうゆではなくポン酢で食べたり。
「そうだたかさん、西の握りなんだからポン酢に紅葉下ろしでいこう」
イヤそうな顔のたかさんをおいて八百屋と食材店に走る、大根と鷹の爪で紅葉下ろしを作り、みょうが、ねぎを刻んでのせる。たべる直前にポン酢をたらして、すぐに口に放り込む。
舌にのせるやいなや、すしダネも紅葉下ろしも、ねぎもみょうがも一緒くたになってしまう。でもすしダネのうま味や甘みが感じられるのは、キジハタの底力だろう。ポン酢の酸味とすし飯の酸味は別種のものであり、合わさってもケンカしない、調和するのである。
「たかさん、これは豪華絢爛、桃山時代を思わせる味だよ」
「なにが桃山時代じゃ。おれはあまり好きじゃねー」
やはり関東のすし職人の反発を買う仕事ではあるが、「いいじゃないの、うまければ」。
2012年07月31日
寿司ネタ(made of)
キジハタ
Redspotted Grouper
本来、北陸・相模湾以北にはあまりいなかったが今や普通、陸奥湾でも揚がるようになっ・・・・
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