あこうの握り
あこうのにぎり / キジハタ
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日本海と瀬戸内海の浅場に多い魚。関東のすし職人に比較的知られるようになったのは今世紀に入ってからだ。当然、西日本、日本海ですしダネとしてよく見かけるもの。年間を通じて味がいい魚だが、産卵期前の初夏によく食べられる。瀬戸内海当たりでは明らかに夏の魚という認識がある。ちなみに食べるときの呼び名はキジハタではしっくりこない。やはり西日本での呼び名「あこう」の方がうまそうである。
歩いているだけで、汗が噴き出してくる夏の朝、700gほどのを市場の活魚槽で見つけて、その場で締めて、三枚に下ろしてもらう。下ろしたばかりの半身をまな板に置くと、身が盛り上がるように反り返る。
「すっげー上物だろ。いい買い物だ」
これを『市場寿司』に持ち込み晒しに巻いて寝かす。すしダネは食感よりもうま味が命と考えてのこと。実際、この時点で味見してもあまり味がない。
これを翌朝切りつけて、握ってもらう。この切りつけた身が厚い。口に放り込むとうまいのだが、すし飯と馴染まない。握りとしての完成度は低いがとてもうまい。これには困った。
「キジハタってのは難しいね。あんまり薄く切りつけると見栄えが悪いんだよ。見た目はこのくらいがいちばんいいと思うけど」
「美味しいとは思うけどね。何よりも身に甘みがあって、噛めば噛むほどうま味がでてくる」
すし飯とネタの味も実に相性がいい。だが馴染まない。けだし、夏のキジハタはうまいと痛感した一かんである。
2012年07月31日
寿司ネタ(made of)
キジハタ
Redspotted Grouper
本来、北陸・相模湾以北にはあまりいなかったが今や普通、陸奥湾でも揚がるようになっ・・・・
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