寿司図鑑 781貫目
寿司図鑑1~856貫目は旧コンテンツからの移行データの為、小さい写真の記事が多くあります。

馬頭鯛/マトウダイ

まとうたい / マトウダイ
馬頭鯛/マトウダイ
握り

関東でのマトウダイの評価は微妙だ。
 安くも高くもない。
 例えば築地場内を歩いていて、マトウダイを見つけるとする。
 キロ当たり1800円くらいすると、「高いね」と思う。
 同じ日の活け締めのイサキが同じくらいの値段だし、キンメダイでキロ当たり1800円は「安いな」と思う。
 普通マトウダイの値段はキロ当たり1000円から1500円どまりだろう。
 専門的な話になってしまったが、釣りでとったマアジだとキロ当たり2500円以上するし、当日のマイワシの値段がキロ当たり800円、マサバが1000円くらい。
 マサバだと、ときに1800円でも高いと思わないし、最近ではマイワシだって、この値段だと驚かない。
 このあたりを比較して考えて欲しい。

 マトウダイは人気のある魚だ。
 なぜならばフランス料理ではサンピエールといって、ムニエルにして最上の素材だとされるからだ。
 国内では刺身用は高い評価を得られるが、ムニエルにしてうまくても、評価は上がらない。
 これが日本人の生食信仰というものなのだ。
 関東ではマトウダイを刺身ではあまり食べない。
 だから評価が低いのだ。

 マトウダイの人気が薄いのは太平洋側での話。
 日本海では非常に人気が高い。
 北陸で「クルマダイ」、山陰で「バトウ」と呼ばれている。
 例えばスーパーに入ってマトウダイの刺身がない日はない、というくらいに人気がある。
 実をいうとマトウダイに関する限り、関東人の食わず嫌い、もしくは魚知らずを露呈しているだけなのだ。

 さて、あくまでもボクの影響で、いろんな魚に挑戦するようになった、『市場寿司 たか』のたかさん、本日魚の少ない中で、ちゃんとマトウダイを仕入れている。
 これは相模湾であがったもので鮮度もいい。
 ネタケースに見つけたボクが「マトウダイ二かん、たのみまっせ」というと、とんとんと目の前にくる。
 真っ白な身だけど、なぜか身がふっくらしている。
 梅雨目前のマトウダイはいかなる味か、好奇心でお願いしたら、うううう、うまい。
 白身で初っ端、旨味に欠けているのだけど、ふっくらした切り身を一噛みすると、ジワリを甘みが浮かんでくる。
 ほどよく上品、ほどよく甘みがあって、ネタについた醤油の相乗効果だろうか、後々旨味すら感じる。

「どお? わかる? 単体じゃもの足りないかも知れないけど、お任せ握りにこの一かんはいいでしょ」
 うんうんうん、その通りだ。
 マトウダイの存在感はそこにあり、なのだ。

寿司ネタ(made of)

マトウダイ
フランス語/Saint-pierre イタリア語/Pesce san pietro 英語/John dory

マトウダイ
国内では太平洋側よりも日本海側でよく食べられている。
日本海側では高級魚でもある。
フレンチでは「サンピエール(Saint-pierre)」はムニエルの定番。
上品な白身で肝やあらなどがうまいので、鍋材料としても人気がある。・・・・
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