寿司図鑑1~856貫目は旧コンテンツからの移行データの為、小さい写真の記事が多くあります。
馬頭鯛/マトウダイ
まとうたい / マトウダイ
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関東でのマトウダイの評価は微妙だ。
安くも高くもない。
例えば築地場内を歩いていて、マトウダイを見つけるとする。
キロ当たり1800円くらいすると、「高いね」と思う。
同じ日の活け締めのイサキが同じくらいの値段だし、キンメダイでキロ当たり1800円は「安いな」と思う。
普通マトウダイの値段はキロ当たり1000円から1500円どまりだろう。
専門的な話になってしまったが、釣りでとったマアジだとキロ当たり2500円以上するし、当日のマイワシの値段がキロ当たり800円、マサバが1000円くらい。
マサバだと、ときに1800円でも高いと思わないし、最近ではマイワシだって、この値段だと驚かない。
このあたりを比較して考えて欲しい。
マトウダイは人気のある魚だ。
なぜならばフランス料理ではサンピエールといって、ムニエルにして最上の素材だとされるからだ。
国内では刺身用は高い評価を得られるが、ムニエルにしてうまくても、評価は上がらない。
これが日本人の生食信仰というものなのだ。
関東ではマトウダイを刺身ではあまり食べない。
だから評価が低いのだ。
マトウダイの人気が薄いのは太平洋側での話。
日本海では非常に人気が高い。
北陸で「クルマダイ」、山陰で「バトウ」と呼ばれている。
例えばスーパーに入ってマトウダイの刺身がない日はない、というくらいに人気がある。
実をいうとマトウダイに関する限り、関東人の食わず嫌い、もしくは魚知らずを露呈しているだけなのだ。
さて、あくまでもボクの影響で、いろんな魚に挑戦するようになった、『市場寿司 たか』のたかさん、本日魚の少ない中で、ちゃんとマトウダイを仕入れている。
これは相模湾であがったもので鮮度もいい。
ネタケースに見つけたボクが「マトウダイ二かん、たのみまっせ」というと、とんとんと目の前にくる。
真っ白な身だけど、なぜか身がふっくらしている。
梅雨目前のマトウダイはいかなる味か、好奇心でお願いしたら、うううう、うまい。
白身で初っ端、旨味に欠けているのだけど、ふっくらした切り身を一噛みすると、ジワリを甘みが浮かんでくる。
ほどよく上品、ほどよく甘みがあって、ネタについた醤油の相乗効果だろうか、後々旨味すら感じる。
「どお? わかる? 単体じゃもの足りないかも知れないけど、お任せ握りにこの一かんはいいでしょ」
うんうんうん、その通りだ。
マトウダイの存在感はそこにあり、なのだ。
寿司ネタ(made of)
マトウダイ
フランス語/Saint-pierre イタリア語/Pesce san pietro 英語/John dory 中国語/遠東海魴
フランス、スペインやイタリアなどで盛んに食べられている。フランスでは「サンピエール(Saint-pierre)」で、ムニエルの定番。
国内では太平洋側よりも日本海側でよく・・・・
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