口白の握り
くちじろのにぎり / イシガキダイ
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肌寒の朝、大型2キロ上のイシダイがまとまって入荷してきた。イシガキダイは小さい時には口の周りが黒く、大きくなると白くなってくる。ある意味、見事な「口白」なのだけど、意外にも値段が安い。イシダイ科のイシダイ、イシガキダイは浅い岩礁域(石や岩のある場所)にいることから、ともに「石もの」という。関東ではこの「石もの」が高いのだが、なぜかキロあたり2千円を割り込んでいる。
たかさんにいきなり、これを渡したら、それほど喜ばない。
「あまり石もの、好きじゃないんだ。すしに合わないと思うんだ」
鯛型なので下ろすのは早い。三枚に下ろすときになんども包丁を止めて、切った部分を手でなぞる。
「どうしたの?」
「やけに脂があるんだ。これ天然かな?」
「天然だっていってたけど」
切りつけて味見すると強い甘味があり、活け締めなのに硬くない。愛媛県と言えば養殖の盛んなところ、まさか生け簀で育ったものか。
比較的厚めに切りつけてつけてもらう。これが決して悪くはない。甘味が強くて、硬くないのですし飯との馴染みもいい。居合わせたお客に振る舞うと、大好評。しかし天然のイシガキダイってこんな味だっただろうか。
2011年11月22日
寿司ネタ(made of)
イシガキダイ
Spotted knifejaw, 台湾/斑石鯛
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