ぼうぜの姿ずし
ぼうぜのすがたずし / イボダイ
握り nigiri軍艦巻 gunkanmaki海苔巻 Norimaki丼・ちらし Don/Chirashi郷土ずし Kyoudozushiなれずし Narezushiいずし Izushiいなりずし Inarizushiその他 Others
阿波徳島で単に「すし」というと握りずしではなく、むしろ家庭などで作る「姿ずし」なのではないだろうか? 空きの祭や祝い事などがあると作られていた。実際、魚屋さんに頼んだり、またスーパーなどでも「姿ずし用」の開きが売られている。姿ずしにするのは主にマアジか「ぼうぜ(イボダイ)」であった。
今回のものは徳島県のスーパーで買い求めた「ぼうぜ」に塩をして寝かせて、甘酢に一日漬け込んだもの。甘酢には大量のすだちを絞り込んでいる。
徳島県の家庭のすしの特徴は、この柑橘類を頻繁に使うことでもある。昔はゆずはただで手に入ったし、今でもお盆までは高いすだちも秋祭りの頃は大きなビニール袋いっぱいがせいぜい100円か、200円しかしない。すしにすだちというのも、昔は節約のためだったかも知れない。
一日漬け込んだ、「ぼうぜ」ですし飯を巻き込んでふきんで姿を整える。これを「もろぶた」に並べていく。徳島生まれはこれだけで浮き浮きしてくる。出来上がると、また数時間寝かせる。本当はまだすし飯の生温かい内がうまいと思うのだが、子供に1本だけくれて、後はお預けである。
さて、夕べになど、これに丸ごと食らいつくのだけれど、「ぼうぜ」は簡単に噛み切れ、頭まで柔らかい。魚らしいうま味もあるし、甘酢の、ではなく魚自体の甘味もある。そこにあっさりとした徳島ならではのすし飯がくる。すだちの香りが実に爽やか。子供の頃は、これを3つも4つも食べていたのだ。
寿司ネタ(made of)
イボダイ
Pacific rudderfish, Butterfish
古くは庶民的な魚で一般家庭の食卓にも気軽に上ったものだが、近年漁獲量が落ちてきているので高値安定しており、スーパーなどで見かける・・・・
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