イボダイの握り
いぼだいのにぎり / イボダイ
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愛媛県産の立派なイボダイが河岸に並んでいる。まだ刺身でいけそうだ、と思ったら手が伸びてしまっていた。キロあたり2500円はかなりお高い。でも見事なイボダイを見るとついつい手が出てしまうのは、徳島県生まれのさがなのかも知れない。
これをすし職人の渡辺隆之さんに渡すと、初めてでもないだろうに怪訝な顔をする。
「やっぱり『えぼだい』を刺身ってのにはなじめないね」
下ろし身にすると、身に透明感はなく白濁している。これは野締めなのもあるが、身に脂が混ざり込んでいるためでもある。ようするに白濁したイボダイの刺身はうまいのである。
「色がよくねーな」と出てきたイボダイの握りは、それほど見た目も悪くはない。関東人である、たかさんが「『えぼだい』は干ものにする魚」と思い込んでいるから目が曇るのである。
さて、これを口に放り込んだ途端に甘さがくる。そして身が軟らかいために、すし飯にあっという間になじんで口中から消え去る。甘味も、うま味も、すし飯の味も一気に来て一気に消えて行く。ということで2,3かん食らってこそ、この真味がわかるという握りである。
「これなら徳島県ならずとも、絶品だと思うはずだけどね」
2012年05月18日
寿司ネタ(made of)
イボダイ
Pacific rudderfish, Butterfish
古くは庶民的な魚で一般家庭の食卓にも気軽に上ったものだが、近年漁獲量が落ちてきているので高値安定しており、スーパーなどで見かける・・・・
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