寿司図鑑 1323貫目
カラスガレイのえんがわ握り
からすがれいのえんがわにぎり / カラスガレイ
確か1980年代あたりからだろう、「ヒラメの縁側」という名で回転ずしに登場した。安いカレイの代名詞だったカラスガレイの「えんがわ」で、本来破棄されるものだから矢鱈に安いのもあり、人気を博し、法律の改正で「ヒラメ」が取れても人気は変わらず高い。こんなものと間違われてはヒラメには申し訳ないが、長年「ヒラメの縁側」はこんな味だったと思っていた人も多そうである。ちなみにヒラメのとはまったくの別もの。味に似た部分はほとんどない。
「縁側(縁側)」とはカレイ類の縁を取るように長い背鰭と腹鰭を動かす筋肉のこと。キュウリ状の筋肉が皮膜で繋がり、噛みしめると筋肉から質のいい、甘味のある肉汁が飛び出してくる。触感も実によく、しかもしかもすし飯との馴染みもいい。
えんがわの握りを口に放り込みながらたかさんに、
「いいすしダネじゃないかい?」
「まあいいネタかな」
「歯切れが悪いね」
「そりゃそうだろ、立ちずし(個人経営のすし店)は使っちゃならねーもんだし」
「そうか、これは禁じ手か」
寿司ネタ(made of)
カラスガレイ
Greenland halibut, Mock halibut, Bastard halibut, Black halibut
本州中部でも発見されるが主に東北以北に生息している大型のカレイだ。北洋でアブラガレイとともに、戦前、戦後と安いカレイとして出回って・・・・
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