寿司図鑑1~856貫目は旧コンテンツからの移行データの為、小さい写真の記事が多くあります。
青鰺/マルアジ
あおあじ / マルアジ
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「アジのようでアジでない」というのがマルアジだ。
一般に市場では「青アジ」といった方が通る。
大きくなる魚で、マアジ同様、40センチを超える。
見た目はマアジにそっくりでも値段の方はかなり低い。
あまりに似ていると言うことで市場では「マアジの偽物的」存在でもある。
マアジは一般的な概念ではアジの代表のように思えるが、実を言うと、アジ科のなかでは孤立している。
国内でマアジ属は一種しか存在しないのだ。
そこへいくとマルアジの所属する組ではなかったムロアジ属には7種の仲間がいる。
マアジ属とムロアジ属の食においての違いは血合いの量と色合いだろう。
血合いはマグロのように酸味と、臭みをともなったものもあるが、アジの仲間はそんなに個性的ではない。
むしろ味わいに影響する要素は少ないのだけど、やはり酸味はあるし、多少の生臭みもある。
血合いの多いムロアジ属が嫌われるゆえんだ。
脂ののりでもムロアジ属はマアジにはかなわない。
マルアジがマアジよりもほっそりしているのは、肥満度が低いせいなのだ。
全般にさっぱりしている。
さて、今回のものは相模湾と東京湾に突出する三浦半島から来たマルアジ。
マルアジの産卵期は5月から7月前後なので、産後の肥立ちもよくとても丸々としている。
「脂がのっているように見えるんだけど」
たかさんに手渡しながら、腹側のてかりを見せる。
「そうだね。見た目がいいね」
卸し始めたら、「これは脂があるよ」と外見と中身が見事に一致する。
まあ、なんども握っている魚だから、手慣れたものだ。
「今日のは(血合い)骨が抜けないね。こりゃ鮮度がいいや」
出てきましたものを見たら、それはそれはうまそうに見える。
口に放り込んでもうまいね。
マルアジの白身が白濁しているのは均等に脂が混ざり込んでいるため。
その脂がうっすらと血合いの上で層になっている。
「たかさん、抜群にうまいよ。これはいいね」
「そうだね青アジってこんなにうまかったけな」
マルアジというのは安いしうまいし、握りにしてきれいだし、いうことないね。
と思ったのも、午前中だけだったようだ。
午後には血合いが黒ずみ、翌日には味わいからして別物に変化している。
マアジとマルアジの値段の開きは、こんなところにもあるようだ。
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マルアジ
Japanese scad
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