寿司図鑑1~856貫目は旧コンテンツからの移行データの為、小さい写真の記事が多くあります。
花鯛/チダイ
はなだい / チダイ
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気になると買ってみるしかない。
何が気になるかというと、その鮮度と脂の乗りなのだけど、なんども買うことでその種(魚)の旬がわかってくるというのもある。
意外に馴染みのある魚の旬がわからないことが多く、そのひとつがチダイとなっている。
暮れに立て続けに見事なチダイの入荷があった。
そして年始となって、一月半ばを過ぎたら、ぱたりと入荷がとまったのだ。
暮れに入荷したチダイの箱は無印だから、仲買に「千葉産かな」と聞いてみると、「そうだよ」との答え。
ようするに、未だに仲買にとって産地などどうでもいいのかしらん、などと思う。
さて、今回のチダイが千葉県産だとしたらすし屋の品書きは「花鯛」とすべきだ。
品書きは、輸入物など玉石混淆ならば「必ず標準和名が必要である」が、国内でとれた場合、その土地土地の地方名を大切にしてもらいたい。
『市場寿司 たか』でこの見事なチダイを手渡すと、寿司職人の渡辺隆之さんが、
「そういえば寒くなると、あんまりハナダイ(花鯛)買わないよな」
なんとなくチダイは春長けて、初夏、夏の魚というイメージがある。
じゃあ、冬のチダイはまずいのだろうか?
なんと卸していると卵を抱えていて、早い時期に産卵する個体なのだろうと想像できる。
そして「これは脂あるよ」ということで、期待が膨らんできて、目の前に4かん。
「朝食べてないんだろ、それで味わかる」
昨日(?)は午前帰宅(深夜帰宅)だったので朝方何も食べられなかった。
当然、空腹であるのだから、この握りがまずいわけがない。
むしろうますぎる。
人心地ついて思考が蘇ってきたのが、三かん目を口にしたときから。
「これうまいんじゃない。甘みがあるんだけど、これ脂からもきてるよね」
「そう、そう。わかるんだ。睡眠不足のときは舌ザラザラで河童巻きしか食べられないんだろ」
「今日は大丈夫。卵を抱えていたということは、この魚(個体)としては脂ののった時期ということだね」
「まあね。マダイは春で、チダイは少し遅れて桜の咲く時期から夏かな、なんて思ってたけどね」
「たかさん、一匹分全部握ってくれる。朝ご飯にするから」
ということで一匹全部握りにして、たかさんと二人で遅い朝ご飯にした。
なんかん食べても飽きが来ない、いやじゃない。
最後に河童巻きをお願いしてしめとする。
寿司ネタ(made of)
チダイ
Crimson sea-bream
幼魚(春日子、柴鯛とも)と成魚で利用法が異なり、加工品原料ともなる。ま・・・・
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