寿司図鑑 1528貫目

小イサキ手こねずし

こいさきてこねずし / イサキ
小イサキ手こねずし
郷土ずし Kyoudozushi

価格ランク

安

 神奈川県小田原市、小田原魚市場で得た小イサキは鮮度も脂ののりも極めてよかった。刺身で食べても酒の進むこと甚だし、だ。
 これで三重県の志摩地方の郷土ずし、「手こねずし」を作る。
 最近、三重県では「手こねずし」という名の偽物が横行している。非常に悪質極まりないものだ。思慮分別のある方達に、観光やマスコミが伝統的な料理を破壊している事実を知って頂きたいものだ。
 伊勢地方の「手こねずし」を見るとすし飯が白いのだ。その上に漬けにしたカツオの切身が乗っている。テレビなどでこれを本物の「手こねずし」として放映しているが非常にハレンチだ。これはただの「漬けちらし」でしかない。
 1980年代後半から志摩地方に行くたびに、「手こねずし」のことを聞いているが、その例をいうと。
1 船上で確かに食べていたが、要するに魚の切り身を漬けにして、ご飯に混ぜ込んだだけ。酢は使ったり、使わなかったり。「手こねずし」という言語はなかった。
2 家庭では魚の切り身をしょうゆと大量の砂糖で漬け込む。このつけた切身とつけダレ、合わせ酢(市販らしい)を炊きたてのご飯に適当に混ぜ込む。
3 家庭では、以降、魚のづけを作ることは同じ。炊きたてのご飯に市販のすし酢、漬けた魚の半量と適量のタレをご飯に混ぜ込む。後の半分は上にトッピングする。
 三重県志摩市志摩町和具が発祥として、『三重県の食生活と食文化』(大川吉崇 調栄社 2008)には炊き上がったご飯につけ汁を入れて、再度火をつけて蒸らす。それにすし酢を混ぜて、冷えたらづけにした魚を混ぜ込むと。茶碗で食べると生臭いので必ず皿に盛るとある。
 これからして、「手こねずし」のすし飯が白いのはおかしいことがわかるだろう。
 ここでは3の家庭での作り方のタレにみりんを少々足してやってみた。
 すしの上に香りのある青じそやみょうが、山椒の葉を乗せると、夏にふさわしい味になる。食べ口が軽いので箸が止まらなくなること請け合いである。

寿司ネタ(made of)

イサキ
Chicken grunt

イサキ
関東では夏の魚の代表的なもの。関東だけではなく日本海・太平洋岸でも同様。
浅場にいる磯魚の代表的なものだが、磯魚特有の臭味が少なく、万人向けのおいしさがある。
漁獲量は長崎県などが多い。
幼魚期より利用されて、味のよさを知られているが、大き・・・・
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