寿司図鑑1~856貫目は旧コンテンツからの移行データの為、小さい写真の記事が多くあります。
槍烏賊/ヤリイカ
やりいか / ヤリイカ
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神田神保町(東京)では古本市が行われている。
あまりの慌ただしさから、のぞき見る間もない。
その古本屋街から一区画外れると登山の専門店が並んでいる。
忙しい中を抜け出してきたのは、ここで暖かな衣類を買い込むためだ。
モンベルの専門店に入り薄手のインナーフリース、それに肌着用の化繊のTシャツを買い込んで店を出る。
ちなみにボクはまったく衣類に感心がない。
最近、このモンベルという会社の衣類を買っているのは、親切な店員さんがいて、「長く着ていても蒸れない、地味な感じのインナーください」とお願いすると、勝手にいろいろ出してきてくれる。
その上、仕事場からいちばん近い店でもあるからだ。
古本市にもどると六時前だというのに裸電球がともされている。
その光景がボクをしきりに誘うのだけど、今年は我慢我慢。
さて、この暖かなインナーを着込んで翌朝八王子魚市場に入ると、小振りの見事なヤリイカがある。
「どこのヤリかな」
「外房産だったと思います」
みたところ近場でとれたものに違いなく、この時期ならまず外房で間違いないだろう。
キロあたり2000円はいい値段だが、今年はまだヤリイカを食べていない。
気温が下がるにしたがい、ヤリイカが食いたくなる。
やはりヤリイカが「冬いか」たる所以だろう。
二本ばかり、たかさんに渡して、握りに仕立ててもらう。
「もうヤリイカの季節なんだね」
季節のこととか「八王子いちょう祭はまだかねー」なんて話している間に、まな板の上にはヤリイカが握るだけとなって並んでいる。
出て参りましたものはげそと耳、一かんずつ。
胴の部分が、これまた二かん。
そう言えば今年はケンサキイカをよく食べた。
ケンサキイカは関東では「赤いか」。
すし屋ではこれを「夏いか」と考えている。
そして風立ちぬ。
ヤリイカになって冬は間近なのだ。
ケンサキよりもさっぱりした甘さで、それでいながら旨味は十二分にある。
甘味のケンサキ、食感のヤリといえばわかりやすいだろう。
このまだメスともオスともつかぬ小振りのヤリがたまらなくうまい。
耳のコリっとした食感を楽しみながら、
「たかさん寒くなったね」
「そうだね五十路になると、この寒さが応えるよな」
「寒いのは年のせいかな?」
「そうだろ」
さて、この日は昼過ぎになっても寒かった。
強い風も吹いていて、なんとこれが木枯らし1号であった。
寿司ネタ(made of)
ヤリイカ
Spear squid
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