寿司図鑑 1376貫目

野菜入いかずし

やさいいりいかずし / スルメイカ
野菜入いかずし
郷土ずし Kyoudozushi

価格ランク

並

 北陸から北海道にかけて「すし」なのか、「漬物」なのか判然としないものが多い。「すし」とは米(うるち米かもち米)を使ったものとすると、この青森県で作られている「いかずし」などは間違いなく当てはまらない。
 この地域に多いのは「飯ずし」である。
 ご飯を調味して作る現在の「すし」誕生以前に生まれた「なれずし」は、ご飯と合わせることで長期にわたり乳酸発酵をさせ、強い酸味や呈味成分を生み出す。食べるのは米(ご飯)が主体ではなく、魚貝類である。
 それに対して「飯ずし」は麹を使うことで低温でも発酵をさせやすくし、甘味と微かな酸味を生み出すのだ。これも米(麹)は調味に使われ、主体は魚貝類と野菜である。
 でもこの「なれずし」、「飯ずし」にはともに米が入っているという共通点がある。
 とすると、青森県や北海道で作られる「すし」と名がつくもののなかに「すし」に当てはまらないものが多々見受けられるのだ。
 苦し紛れに「漬物ずし」とでも名づけたいものの代表格が「いかずし」である。材料はスルメイカにキャベツ、にんじん、しょうがなど、味つけはアミノ酸や酢、塩などである。その実態は現代風にいうと、まるでサラダのようなものだ。
 スルメイカのうまさも楽しめるし、野菜の歯触りも楽しめる。後味爽やかでついつい箸が伸びる。
 サラダのようなものと書いたが、やはり漬物かも知れぬ。結論は個々でやって欲しい。
[扇谷 青森県むつ市]

寿司ネタ(made of)

スルメイカ
Japanese flying squid

スルメイカ
日本列島を取り巻くように群れを作って回遊している。日本各地で「マイカ(真イカ)」と呼ばれているのは水揚げ量が多く、もっとも一般的だからだ。乾物として、干ものとして、生鮮品として日常的なものだし、非常に重要なものだ。これが2020年前後から不・・・・
市場魚貝類図鑑で続きを読む⇒

この寿司ネタの他の寿司(Others)

ぼうずコンニャクの本

ぼうずコンニャクの日本の高級魚事典
魚通、釣り人、魚を扱うプロの為の初めての「高級魚」の本。
イラスト図解 寿司ネタ1年生
イラストとマンガを交えて展開する見た目にも楽しい一冊。
すし図鑑
バッグに入るハンディサイズ本。320貫掲載。Kindle版も。
すし図鑑ミニ
~プロもビックリ!~

すし図鑑が文庫本サイズに! Kindle版も。
美味しいマイナー魚介図鑑
製作期間5年を超す渾身作!
美味しいマイナー魚図鑑ミニ
[美味しいマイナー魚介図鑑]の文庫版が登場
ぼうずコンニャクの全国47都道府県 うますぎゴーゴー!
ぼうずコンニャクの新境地!? グルメエッセイ也。
からだにおいしい魚の便利帳
発行20万部突破のベストセラー。
地域食材大百科〈第5巻〉魚介類、海藻
魚介類、海藻460品目を収録。