寿司図鑑 1280貫目
スルメイカの煮いか
するめいかのにいか / スルメイカ


江戸前ずしの基本に「煮いか」がある。ヤリイカの小振りのものを使ったり、新いか(コウイカの子)を煮たりしてつけるが、いちばん庶民的でなじみ深いのはスルメイカの「煮いか」だろう。
高級すし店ではなく、街の平凡なすし店のものであるが、年々作る人がいなくなっている。今やスルメイカの「煮いか」は貴重である。
大鍋に水、しょうゆ、砂糖を合わせた煮汁にスルメイカを1尾ずつ入れて、胴の部分に菜箸を差してくるくる回しながら短時間煮る。調味料にみりんを使わないのが、江戸前のやり方だとのこと。
この「煮いか」の煮汁はつめ(煮つめでタレにする)の材料ともなる。
短時間煮たものなので軟らかい。皮にスルメイカの甘をともなった風味があるのもいい。下町のすし食いが「つまんでもつまんでも食い足りない」と言うが我も同じである。
2012年12月27日
寿司ネタ(made of)
スルメイカ
Japanese flying squid
貝殻は非常に退化的で薄いプラスティックのよう。武井周作はこれを〈骨硝子紙(びいどろがみ)のごとし〉と記している。
その群れに三群あって、産卵期が・・・・
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