寿司図鑑 838貫目
寿司図鑑1~856貫目は旧コンテンツからの移行データの為、小さい写真の記事が多くあります。

あずま寿司

あずますし / コノシロ
あずま寿司
郷土ずし Kyoudozushi

価格ランク

安

江戸時代、肩に箱を担いで「こはだのすし」というものが売り歩かれていた。
この「こはだのすし」というものは酢じめにしたコハダ(コノシロだけではなかっただろう)を開いて、甘酸っぱく味つけしたおからをつめたもの。
江戸(東京)ではいつの間にか消えてしまったものが、今でも各地に残っている。
島根県浜田市の「おまんずし」、愛媛県の「いずみや」、山口県の「唐ずし」、そして今回は広島県の「あずまずし」。
これを「おからずし」というジャンルにして、日本全国のものを集めてみたいと思っている。

広島市広島中央市場のお総菜の店で見つけたのが、コノシロを使った「あずま寿司」。
小振りのものを使ったものもあり、こちらは「こはだずし」なのだという。
どちらも江戸時代に江戸の町から伝わったというのが、におってくる。
例えば中国山地の北側、島根県浜田市の「おまんずし」の〝おまん〟が江戸時代江戸の小町(美人)の名であるように。
これなど動物分類学的に「その科の原始的なものは僻地に保存される(表現は間違っているかも)」の定理に似ているのも面白い。

浜田市で聞き取った限りでは、おからを使ったすしは徐々に姿を消しているという。
それが築地場内のプロたちに食べてもらうと、とても好評だったのである。
おからを使ったすしは現代人の嗜好にも合うのだ、というのが如実にわかる。

そして「あずま寿司」もとてもおいしかったのだ。
おからの酢の加減、甘みが絶妙。
コノシロの締め具合、味つけもいい。
酒のアテにもいいだろう。
ボクが広島に住まいでもしたら、ときどきは買ってしまいそうな味わいだ。

「あずま寿司」も広島の食文化の資源(この表現は私流)と思う。
ビルを建てたり、街をきれいにすることでしか、未来を見つけられない日本人というものに、この小さいけど貴重な資源、価値がわかるだろうか?
未来に残したい食べ物、それが「あずま寿司」なのである。

佐幸 広島県広島市西区草津港1-4-21

寿司ネタ(made of)

コノシロ
Dotted gizzard shad

コノシロ
日本各地の浅い内湾、汽水域に群れを作る。古代からの食用魚だ。
本種の若魚「こはだ」は東京では江戸時代以来、江戸前を代表する「光りもの」である。本来は江戸時代、握りずしの種を色合いと、酢でしめるという仕事をほどこす魚という意味合いから生まれた・・・・
市場魚貝類図鑑で続きを読む⇒

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