寿司図鑑 1307貫目

早ずし

はやずし / マサバ
早ずし
郷土ずし Kyoudozushi

価格ランク

並

 和歌山県はすし文化の発達した地域である。これは飛鳥時代以来、都へ魚貝類を供給地であったためだと思う。
 古代のことなので浜でとれた魚貝類は焼く、塩をする、干す、そして発酵させる、などなんらかの加工を施されて内陸部にある都に送られた。その発酵させる、に当たるのが「なれずし」である。魚の塩漬けとご飯を合わせて乳酸発酵する。このもっとも原始的な「すし」が「なれずし」である。今でもこの「なれずし」が県内各地に残っている。その発酵食品である「なれずし」を作るためには1月から数年の時間を要す。
 それに対して、江戸時代以後の酢と塩、砂糖で味つけして、作ったそばから食すことができるようになったものを和歌山市周辺では「早ずし」という。ようするに「早ずし」とは、今普通に「すし」と認識されている「すし」のことである。
 和歌山市内で作られている「さばなれずし」は、「あせ(ダンチク)」の葉で巻かれている。それが市内で今も作られる様々なすしに生かされていて、これを「あせずし」というのだけれど、この和歌山ラーメンの老舗『井出商店』に置かれているものはプラスティック製に代わっている。大量に作り、市内各所にあるラーメン店に卸しているものなので、これもいたしかたないが、この緑色のシートが「あせ」の代わりだと知る人も少なくなりそうである。
 さて、この中華そばの脇役の「早ずし」だが、サバの塩加減もほどほどで、すし飯の甘さ、酸味も優しい。中華そばの味もさることながら、この優しい味、二口ほどで食べられる簡便さからついつい食べ過ぎてしまいそうである。
[丸中寿司 和歌山県和歌山市西浜]

寿司ネタ(made of)

マサバ
Chub mackerel

マサバ
古くは大衆魚、下魚などとされ、安くてうまい魚の代名詞だった。鮮魚としても加工品としても、魚のなかでももっとも重要なもの。古代には「なれずし」が作られ、江戸時代には塩さばや干しさばが広く流通した。塩さばは、「お歳暮」の起源となった。
これが資・・・・
市場魚貝類図鑑で続きを読む⇒

この寿司ネタの他の寿司(Others)

ぼうずコンニャクの本

すし図鑑
バッグに入るハンディサイズ本。320貫掲載。Kindle版も。
すし図鑑ミニ
~プロもビックリ!~

すし図鑑が文庫本サイズに! Kindle版も。
美味しいマイナー魚介図鑑
製作期間5年を超す渾身作!
からだにおいしい魚の便利帳
発行20万部突破のベストセラー。
地域食材大百科〈第5巻〉魚介類、海藻
魚介類、海藻460品目を収録。
おすしのずかん
ぼうずコンニャク監修の本。