寿司図鑑 832貫目
寿司図鑑1~856貫目は旧コンテンツからの移行データの為、小さい写真の記事が多くあります。

マサバ冷燻

まさばれいいぶし / マサバ
マサバ冷燻
握り

島根県浜田市にある水産技術センターからマサバの冷燻が送られてきた。
試作品である。
作ったのはトーボさんたちであり、県アドバイザーとしては身内なので、ここでとりあげていいものか迷う。
迷いながらも、あえて出すにはわけがある。
意外に知られていない水産技術センターでの仕事の一端をお見せしたいというのと、実際に食べてみて、絶品だったからだ。

さて、今回冷燻に使われているのは島根県石見地方で上がった、脂質20パーセント以上のマサバだ。
脂質をはかるというのは島根県ならではの技術で、しかも20パーセント以上というのは非常に高い数値なのである。
ようするに石見沖で上がった最上級のマサバを、水産技術センターが冷燻したもの。
燻製とは肉や魚を煙で燻したもの。
この煙の温度で味わいが変わるのだが、いちばん低い温度で燻したのが冷燻。
時間はかかるが、いちばん味がともいえるものだ。

結果から述べると、これが絶品だった。
しかもすしネタとして。
石見沖でとれるマサバを古くより、「石州さば」というのだけど、素材のうまさが燻煙された香りの中で浮かんでくる。
すし職人の渡辺隆之さんと、まずは単に味見して。

「やっぱり皮をとった方がいいね」
なんて、試しに握りにしたら、もっともっとこの真価が出てきたのには驚いた。
「たかさん、ただ食べたときよりも、すし飯に合わせた方がうまいね」
「そうだね。オレもびっくりしたよ。これくらいうまいネタもないね。たぶん硬さと、塩加減と燻製の香りがちょうどいいんだと思うな」
「それに口に入れて、少しするとトロっと感じない。これ脂がのってるせいだよね」

お客にも食べてもらおうよ、というので、たかさんホワイトボードに向かう。
「なんて書くね」
「石州さば燻製かな」
「石州ってどこ」
「島根県の西の方なんだ。昔は石見っていったの。あの石見銀山の石見だよ」
「おお、いいね。これこういうの好きだね」

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